
レベル2
劇的!ビフォーアフター

パス度を上げるという目的の前に、まずは己を知る事が必要だ。
いつだってそう、今の自分の位置と目的までの距離をうんたらかんたら…。
俺がホルモン注射をして早いもので10年が経つ。
SRSをしてからは8年だ。
ホルモンをした当初の変化、10年経った今を見てみたらどうだろうか。
そう思案しながら道を歩いている時だった。
「ふくふく。」
振り返るとパートナーは朗らかに微笑んでいた。
「ふくふく。」
最近、よくパートナーから発せられるこの擬音語。
最初は、道端を行くトイプードルあたりに声かけしていると思っていた。
え、まさか俺に向かって?
「ふくふくって…」
「太ってるってことだよ(にこ)」
幸せそうな音だが、びっくり、単なる悪口である。
にこにこ嬉しそうに『ねぇ、ぶぅぶぅ(進化)。』と俺の腹をなでながら、ちょっくら可愛く言ったくらいで、にこにこと笑顔を返せるほど俺は大人ではない。
まぁ、とにかく過去から今(の過ち)を振り返ってみたいと思う。
【オペ後】
身長160㎝
体重48㎏
【ホル歴10年後】
身長161㎝(+1㎝)
体重63㎏(+15㎏)
…こういった成長具合だ。
(思った以上に、俺自身に衝撃が走っている。ガクガク。)
思い起こせば、幼少期から自分は太らない人間だと確信していた。
『ダイエットをする』と息を吐くように嘘をつき続ける母を尻目に、
「可哀想にね。でぶの遺伝子が引き継がれなくてよかった。」と辛らつな事を言っては、高みの見物を決めていたのだった。
因果応報。
いや待て、今でも手足は細く短い(え?)
問題は腹と尻だ。
その結果、豚どころか
「クリスマスのターキーみたい」
等と言われる始末。
以前言われた「ブリキの人形に似てる」より衝撃である。
怒りの業火で身を焼かれるのは、奴らではなくターキーになる俺という理不尽。
そして、最も衝撃だったのは、4歳の娘とほぼ同じフォルムをしている自分を見たときだ。
どうだ、FTM諸君、恐ろしいだろう。。。。
え?俺はここまでならない?
確かに。

おーみち
ぶんぶく茶釜
30代埋没FtM。既婚・子あり。几帳面な割にだらしないと言う、よくわからないB型。noteでは書かない取り留めのない話をします。