FTMサッカー団体「STAGE」特集

サッカーを通じFTMが主役で輝く舞台 (STAGE) を！

STAGE

FTMサッカー団体

東京と大阪で精力的に「活動しているFTMサッカー団体STAGE。コロナ禍での活動自粛に阻まれる中、地道に活動を続ける彼らに、今までのこと、これからこと、たくさんお話を聞いてきました。静かな胸の内に秘める熱い思いと大きな夢とは。

Believe it my way ～あきらめるな、前へ進もう～

STAGEは、アパレルブランド「ORION」を展開なさっているNanatoさんと「2's CABIN 新宿2丁目店」の店長でお馴染みShutoさんが主催しているFTMサッカー団体です。

明るくどんな会話でも拾ってくれるShutoさんと礼儀正しくしっかりと対話してくれるNanatoさん。私たちが取材に訪れた際もお二人がその人柄とトークで和ませてくれました。

初心者の方も経験者の方も一緒にボールを追いかけている内に、不思議と溶け込めてしまう雰囲気の良さ。そして、参加者には笑顔とアイコンタクトでチームプレースポーツの楽しさを実感させてくれる団体です。オールジェンダーOKの団体なので、お友達やパートナーと一緒に参加して頂ける所も安心です。サッカーを通じ、FTMが主役で輝く舞台（STAGE）を！

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【運命の出会い】

本日は取材のお時間取って頂いてありがとうございます。

こちらこそわざわざありがとうございます。よろしくお願い致します。

団体の発足についてですが、2020年の8月に2's CABINで出逢われて9月には活動を始められているんですね。

そうですね。僕は僕の方で、前々からまさきさんの方に相談させてもらっていて。

【まさきさん】　FTMとして、2's Cabin 経営・DJ ・イベントオーガナイザー等で発信を行なっている。2's CABINの本店に立ち、多くのFTM・ALLYに慕われている。→TWITTERはこちら

その時、Shutoさんは2's CABINにお勤めだったんですか？

僕は25の時から2's CABINで働き始めて、NANATOのことはSNSで知っているだけでした。26歳の時にやっと知り合えて話す機会が出来ました。その日にお互いやりたい事を話したら一致したんです！

本当に鳥肌たったもん。

運命の出会いだったんですね。

本当そうです！そこから２日後に2人で話して、STAGEが誕生しました。9月からSNS告知を始めました！

【自分が輝いている姿を見て欲しい】

どんなお話をされたんですか？

まずは、コンセプトを決めて固めていこうと言う中でSTAGEと言う名前が出てきたんですよね。

コンセプトから‥かなり戦略的に団体運営に関して考えられていたんですね。

そうですね。そのために広報もしっかり集めました。Yuくんも写真を撮るだけではなくて、SNSや情報収集等「広報」をお願いしています。Kokiもインスタで探して声をかけました。写真や動画には自分はこだわりがあって。STAGEのコンセプトが「一度失った光を再び、1人1人が主役の輝く舞台(STAGE)を！！」と言うものなので、自分達が輝いている姿を本人たちにどうしても見せてあげたかったんです。

メンバーに対しての「広報」と言うことですか

自信に繋げてほしい言う思いがあったので、写真を綺麗に撮ってくれる人を探して、その素材を毎回無料で提供しています。

戦略的な団体運営を最初から念頭に置いていらっしゃったのは、お二人とも経営を経験していると言うことがあったからですか？

そうですね。経営者目線と言ったら偉そうなんですけど、自分自身が高校時代のサッカー部を立ち上げたのもそうですし、飲食店の料理長をしたり、自分で何かを動かしたいという気持ちそこの部分の経験はあるかもしれません。

何となく立ち上げたサークルと言うものではないです。そこは自信を持って言えます。

【Transgenderとサッカー】

前回の記事でALASの翔也さんにもお伺いしたんですが（ALAS記事）、Transgenderが団体競技をする難しさと言うのはどう言ったものなんでしょうか。

そうですね。こちらでもアンケートを取っていて、サッカーを諦めた方と言うのはいらっしゃいます。女子サッカーの場合は、中学と高校になってくるとプロへの道かそうではないかの選択を迫られます。その思春期の時代に、自身の体のことやちょっとした事‥着替えたっだり女性の中にいる事でのストレスが掛かってきます。だからと言って、男性の方へ行ってもそれはそれでストレスが掛かってくる。

そう言った事は治療や考え方等である程度は克服出来るものなんでしょうか。

それは治療後も続く‥やっぱり気持ち的にストレスはありますよね。僕はただただサッカーが好きだったから、他を考えられなかった。まだやりたかった。だから団体作っちゃえばいいやって。多分、何も言わずにやっておられる方もいらっしゃると思います。

それを同じ仲間で何も心配なく出来る環境を僕たちが作りたいと思っています。

今後、サッカー・スポーツ界にどうなっていって欲しいですか。

どうなっていって欲しいか‥難しいっすね。男女以外のリーグがあればいいのにとは思います。どのリーグに参加するかは本人が決めれば良い。選択肢を広げるジェンダーフリーなオリンピックとか。

もちろん、男女の通常のものは存在している上で、と言う事なんですけど。

STAGEではTOKYO・OSAKA・MIXやFTM限定など、色々なスタイルで活動を行なっていますが、今後はどのような展開になって行きそうですか。

拠点をたくさん作ってリーグをしたいと思っています。そして、関東リーグと関西リーグの選抜同士を戦わせたいと思っていますね。

面白いですね。ゆくゆくはSTAGEリーグみたいなものを作って行きたいと言うことですか。

そうですね。名前がそうなるかはわからないですけど、大阪以外にも福岡、仙台名古屋あたりにも拠点を広げられたらと思ってます。

そこで大会を主催して認知や活動を広げて行きたいですね。活動をする中で、最初は自分から輪を作りに行けなかったんですけど、共通点を引き出してあげることを意識してだんだん出来るようになりました。治療前の方が仲良くなったり。友達作り、情報共有が出来る仲間づくりにも重点を置いています。

めちゃくちゃサッカーと言う子たちだけじゃないし、それぞれ今参加している子たちに合わせたチーム作りをしたいなと思っています。

自分自身応援して、きちんと相談に乗ってあげられるようにしたいなと思います。

STAGEきっかけでCABINに飲みに来てくれたり。そこで盛り上がって、また輪が広がって行って。そうやって繋がっていっています。

ほぼ毎回参加してくれているけど無口な子がいたんです。でも、参加するたびに表情がどんどん変化していって。目を見て話してくれるようになって。その時には作ってよかったなぁ‥と思いましたね。

【自分が受け取ったもの】

もっとその輪が広がるといいですね。

僕は「次の世代に活動を繋げたい」と言う思いを強く持っています。下の世代の方々‥高校生や大学生に繋げていく動きをして行きたいねと僕らはよく話しているんですね。まさきさんや井上健斗さんのような現在活躍されている方々が、叩かれながらも発信してくださったおかげで、僕たちは生きて生きやすくなった。その思いを下の世代の方々に繋げて行きたいんです。

自分が色々な事に落ち込んで悩んでいた時に助けてくれたのがまさきさんです。あの方は顔も広くて店もやっているしとてもお忙しい方だと思うんですけど。

こまめに連絡をくれたり、気遣いの人ですね。

僕の話を聞くために時間を作ってくれて、焼き鳥をご馳走してくれたんです。僕はやりたい事を紙に書いて持って行きました。その時の言葉はとても大事に自分の中に持っています。言葉が輝いていて。自分は生きてていいんだと思いました。本当に救われました。

紙に書いて‥とても真面目ですね（笑）真摯な姿勢がまさきさんに届いたのかもしれないですね。

（笑）

（笑）その時に全ての事を前向きに変換してくれて視点を変えたくれたんです。そういう上の世代の方々の存在にとても感謝しています。その後も落ち込んだり、壁にぶつかったときは、まさきさんにスイッチを入れ直してもらって。

自分も活動のきっかけには、まさきさんがいますよね（笑）もちろん（笑）自分も福岡から出てきて。あんまりいい感じで出てきたわけじゃなかったんで埋没希望だったんですよ。でも、GRAMMY TOKYOに行ったときにみんなが輝いていて。まさきさんや健斗さん、エスパンの友空さん、翔也さんだったりとかがいて。自分を隠さなくてもやっていけるんだと思いました。表に立つ人がいるから僕らが過ごしやすくなっていると言うのは、本当に感じましたね。

下の世代に返していくのは、ずっと上の世代の方々から言われてきた事だったんで。心の中にありましたね。

上の世代の方々にしてもらったことを下の世代の方々に返すと言うのを実行しているだけなんですが、こう言ったことをSTAGEを通じて下の世代の方々にもきちんと伝えて行きたいです。

最後に参加を検討している皆様にメッセージを！

初心者でも大丈夫です！一人でもぜひ！

気になるなら参加しましょ！

大丈夫ですか？もうちょっと‥

これでいいっすか？（笑）

いいっす！（笑）

ありがとうございました（笑）

2022-02-27

インタビュー：宮川・大道