Acerca de

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​ 第1回 

​ 誰よりも、考え続ける 

  こうしろうさん (29) FtM  

​ (全4回) 

2014年からkamenotsuno.comを開設し、自身の経験に基づいた多くの発信をしてきたこうしろう(@Ksr_5463_)さん。大学卒業後は、結核の研究をするNGOに所属し、タイ・チェンライ県に派遣され、2年間従事。帰国されてからは、会社員として勤務されているユニークな経歴の持ち主です。自分の人生を主体的に生きる事を胸に、彼はどのような社会人人生を歩んで来たのか。その裏には、幼い頃から考えて続けてきた「国際協力」への情熱と何事にも真摯に向き合う彼の誠実な道のりがありました。

  01 - 1 そもそも就活出来るんだっけ? 
   - 「正規の就活」から逃げ出した 
   -    1社だけのエントリー  

  01 - 2 トランスを進めるよりも大切なこと
   -  国際協力のためタイ・チェンライへ
   -  寛容性のタイ・日本におけるパス度

  01 - 3 2枚の履歴書
   -  就活アゲイン
​   -  やっぱり嘘がつけない!

  01 - 4 カミングアウトはプレゼンテーション
   -  思ったよりも大丈夫
​   -  その名の意味

​ 第一回 そもそも就活って出来るんだっけ?

九州で生まれたこうしろうさん。

幼少の頃から自分の中の違和感に気が付きながらも、

それが周囲の人々を困惑させると言うことにも気が付いていました。

希望する進路を歩むため、両親の提示する条件をクリアして、地元を離れました。

大学では国際関係学に励みつつ、大学1年時までは女性としても生きる方法を模索するものの、

『自分にも他人にも嘘をつく生活をするのはやめよう』

と考え、カミングアウトを始めました。

4年時に大学を休学。

1年間バックパッカーをし、多様な人種や価値観と触れ合ったのちに帰国しました。

 

【「正規」の就活から逃げ出した 】

「働くことに関しては、帰国して就職活動を意識し始めてからしか、考えていなかったですね」

彼は、柔和で理知的な口調。濃いまつ毛を伏せて、少し照れ笑いをして答えてくれた。

「大学院への進学を希望していました」

「でも、考えたときに、就活?僕は就活、そもそも出来るんだっけ?どうやって自分のことを説明するの?と」

仮に就職出来たとしても、上手くやっていけるか自信がなかった。

「正直に言うと、「正規の」就活から逃げ出したくて、大学院を希望したところはあるかもしれません」

 

 

元から、国際協力に興味を抱き、そのために大学に進学した。

ところが、その学びを継続しようとした時、大学院受験に失敗してしまう。志望した学科は、社会人経験のある受験生が多かったのだ。経験では敵わない。

「これ以上、親の脛をかじるわけにはいかない」

 

国際協力への熱意はあったが、目指す環境も狭き門である事は分かっていた。それをぐっと胸に秘めながら、否応無く就職活動を始めた。

こうしろうさん1−1.jpeg

【1社だけのエントリー】

この時は、ネットで「LGBT歓迎」と銘打っている会社を1社だけ受験した。

性風俗の情報サイトを運営している会社だった。

 

 

 

「自分のことを好きに説明出来ると思ったんです。世間知らずだったので、嘘をつくことが出来なかった。本当は大学院志望で、少し働いたら、また大学院受験しようと思っているのに『第一志望です!』『御社で働きたいです!』と言う自信がありませんでした。会社側も人材を育てるのにコストがかかる。会社を滑り止めにすることは、薄情だと思いました」

穏便な受け答えの中にも、真っ直ぐな本質が垣間見える。

応募は就職支援サイトからではなく、会社の問い合わせサイトから通称名(現在の本名)で行った。自身のセクシャリティを明らかにした上で、2回の面接を潜り抜け、内定をもらった。

「そうは言っても、志がないのは失礼だと思ったので、しっかりとリサーチをし、性風俗はofficialではなくとも、社会におけるセーフティーネットである、と社長に対してプレゼンをしました」

ところがすぐにその内定を蹴ってしまう。

大学院受験の際に、社会人受験生のうち数人が国際協力に関する団体に所属していたことを知り、大学院に落ちた時点からその道も模索していたからだ。

その後は、個人塾・カレー屋やコールセンターでアルバイトをしながら、団体参加への道のりを模索した。

 

突然の派遣要請を受けたのは、その数ヶ月後。

タイのチェンライに派遣されることになった。

【FtM・FtXとお仕事のおはなし】

その他の方々のお仕事のおはなしも

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それぞれの熱い思いが

たくさん詰まっています。

​ぜひ、目を通して見て下さい。

積み上がった本

当サイトにて、こうしろうさんの連載

 

「一節のお裾分け」

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本をきっかけに溢れ出す、こうしろうさんの悲喜こもごも。​爽やかな語り口の中に、さりげない優しさと少しのビター。

ぜひ、ご一読下さい。

 
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