• Natio Miyakawa

【取材の裏話】#01. 大道令己

更新日:5月1日



いつまで経っても連載陣が決まらない。

それはそうだ。

こんな無名で金もないサイトに協力しようなんてお人好しがそうそういる訳も無い。


今までは『絶対に続かないし、一貫性がないとSEOに引っかからないのに、それほど情熱を注いでいる趣味も持たない。そもそもFTMのサイトでアラフォーシスババアが書く文章なんて誰が読むんだ』と逃げていたけれど、背に腹は変えられぬでこのような事態になってしまった。


給料の出どころを考えればやるしかない。

が、ネタがない。

そんな気持ちは大道には、とっくにバレており

「裏話でいいじゃない」

と言われたので、とりあえず初回は責任を取ってもらう形で大道について書くことにする。



 


彼と仕事上で会った時の第一印象は「プロだなぁ」であった。

素人同然の妙齢の方々、数十人を一気に捌いて団体を動かしている様は圧巻で、まるでサーカスの様だった。そして、形容が適切でないかもしれないが、誰しもが彼のポケモンと言うか召喚獣と言うか、切り札になっているような感じがそこにはあった。


このように書くと如何にも彼が有能なマネージメントをしているかのように思われるかもしれないが、それよりも数段ナチュラルなもの、それぞれのやりたい事を整理し、好機を見極め、出るタイミングだけ合図するといった具合に、自主性に任せたポジティブな問題解決が上手かったと言うことだ。


しばらく観察していて、それは「誰かを必要以上に刺激しない」というスキルを彼が持っているからだと思うようになった。


 


人は威圧的な態度、もしくは反対に謙虚が過ぎると、人のコンプレックスを刺激し、マウンティング合戦の火蓋を切ってしまうことが多々ある。通常なら他人に悟られることのない小さなものでも合戦の舞台がSNS上となるとそうもいかない。そうなると双方の思い通りの人間関係を築くことが難しく、方々に支障をきたす。オフラインにおいてもそのバランスと調整は結構な気苦労だ。現実LGBTsのSNS上にも時折よく分からないマウンティングの風が吹いて、時に嵐になる。

彼はそう言った類のものを持っていない。シスの男性と埋没で勝負して来たために、自信の持ちようがなかったと言っていたことがあった。その副産物なのか、大道は自己評価と他者評価の間にブレが少ないと思う。これが人間である以上相当に難しい。

他者評価が好評な上で、周りの目なんか気にしないよと言う人はしばしばいる。

けれども、他者評価が思ったほどに得られていないのに、周りの目なんか気にしないよとやってしまって上手くいくほどビジネスの世界は甘くない。

彼の場合、それが人格者が持つ「人を対等に扱う」「悪口を言わない」と言うような絶対的な信念などではなく、あくまで楽観的なものだ。

「なんとかなると思ってる。」

問題が生じた際も大道が何やらやったと思ったら、問題が解決していることは多々ある。その姿を大道は「ぜっっったいにお前らに見られたくない」と言う。

人生は人の見ていない場所で努力出来るかどうかに掛かっていると言っても過言ではない。大道は逆にそれを見られている場所では出来ない性分らしい。

美意識と言うある種、他者の存在が前提の視点より、一部の人が持つ羞恥心を私は信じる。


 

最近になって、大道が一番好きなアニメキャラクターはルパン3世だと言うことを知った。

ルパンは格好いい。けれど、それは私たちが彼の行動の全て把握を出来る神の視点を持つからであり、肝心のヒロインはルパンがどれだけ時間と金をかけ、危険な目にあったかなどは一部しか知らない。運が良ければキスされて、運が悪ければ宝を持ち逃げされ、殺されかける。それでも、見返りを求めず、全て水に流す。最強にコスパの悪い人だ。

今日も大道は企業相手に営業をしている。電話をかけ、お客さま相談センターに回されて、体よくあしらわれながらも、頭を下げ、礼を言い、ダメもとで上の人間の連絡先を手に入れようと食い下がって断られ、冗談を言って相手の笑い声を聞き終えたら電話を切る。みたらし団子を平らげて、そしてまた、発信ボタンを押す大道を私たちは、今日も見て見ぬふりをする。

(了)

 

以上、よろしくお願い致します。

宮川


追伸:これだけ書いたので、インセンティブください。


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