
毎週日曜日更新
一節のお裾分け
第37節
その姿を見つけてくれる人は必ずいる
【超ミニマル主義】
四角大輔
今回のお裾分けは四角大輔さんの新刊である『超ミニマル主義』からの引用である。確か前々回に捨てたい病の話を書いたときに、近々発売をされる予定の気になる本として挙げていたと思う。
発売日の9月14日にAmazonで注文をした。欲しいなと思ったものを朝に注文してその日の内に届くというのは、ものすごい文明の発達だなあと思う。せっかく超ミニマル主義を読むのだからKindle本を買った方がいいのかなという気もしたが、このこだわりが詰まった紙の本を手にとってみたいという気持ちから今回はまずは紙で読んでみることにした。というのも、紙は全てサステナブルな森林パルプや漂白剤不使用など、環境配慮型のペーパーを使用しているのだという。紙については特になんの違和感もなかった。四角さんのインスタでその情報を見ていなければ何も気が付かないと思う。
正直この本のお裾分けについては一節どころでは全く足りない。この本は超ミニマル主義というそのタイトルの通りあらゆることを最小限に抑えて最大のパワーを発揮するための術が書かれている。
ミニマル主義と言われて誰もが思い浮かぶ、ミニマリスト的なモノの軽量化については勿論、情報とワークスペースの軽量化、スケジュールの軽量化、タスクの軽量化そして思考と習慣の軽量化といった、様々な角度で実行可能な具体的なアドバイスが網羅されているのだ。
私は割と普段から持ち物を厳選したり時間の使い方についてもできるだけメリハリをつけて取り組もうとしてはいるのだが、この本を読んでさらにミニマル主義に近づいていきたいという気持ちになった(ただ私自身は一般的に人生に不要な持ち物も自分にだけは必要ということもあると思っているので、ミニマリストにはなれないと思う)。
特に私が参考になったのは時間の使い方やスケジュールについての章だ。ここでも四角さんの会社員時代の1日のスケジュールと、今のフリーランスとして独立してからの1日のスケジュールが出ている。
それぞれの時間帯にその動きをすることに全て意味があり、ぜひ取り入れられるものから取り入れたいと思った。
私が特に共感をして、お裾分けしたいのは次の一節だ。
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「自分のことなんて誰も見てくれていない」と思いがちだが、ブレずに「自分なりの筋」を通し続けていれば、その姿を見つけてくれる人は必ずいる
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これには強く共感する。頑張っても報われないと思っていても、一所懸命にやっていればその姿を見ていてくれる人もいる。これまでの人生で何度もそれを経験してきた。
更になんとも親近感が湧くのはこの四角さんが自分を変えようと思って変化を起こし始めた年が今の私と同じ歳である30歳であるというところである。
酷評された20代を過ごし30歳で出世コースを外れた四角さんは、「キャリアで失うものは何もない」と考え、その瞬間に気が楽になって仕事の優先順位を下げたという。本気で遊ぶようになって、「自分への期待」という最大の重荷を手放す。
そしてその他にも、嫌われたくない病、お付き合い飲み会、長時間労働、気合や根性他人の目…そうした不要なものを全て捨ててどんどん自由になっていった。すると心身が楽になって、逆に仕事で成果を上げられるようになって、会社員としては破格の結果を出せるようになっていく。キャリアを捨てようとしたら逆にキャリアがついてきたのだ。
私達の多くは人生の時間を仕事に費やす。だったらその時間すら楽しくできる方がずっといい。休みの日は全力で遊んで、仕事の日は全力で働く。30歳になってから半年が既に過ぎたが、こうした理想的な30代を過ごせるように超ミニマル主義を身に着けていきたい。