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一節のお裾分け

第35節

移動や荷造りがラクになるとフットワークも軽くなる

【モノを捨てよ、散歩に出よう】
鳥居とり

捨てたい病。私が定期的にかかる病気だ。発症時期は主に年末年始や連休などの時間があるときや、とても忙しかった後にポッカリと時間ができた時である。最近使っていないモノや、これってなくても平気だよねというモノをどんどん手放していきたくなる。

この捨てたい病を知ったきっかけは、鳥居とりさんの「モノを捨てよ、散歩に出よう」という本だ。Kindleでのみ読める本だが、2022年現在は既に販売が停止されている本なので、今から入手することはできない。とても面白い本だったので、もったいないなと思う。

ミニマリスト本は幾つかあるが、この本はノウハウ本ではなくミニマリストエッセイという感じだ。捨てたい病は筆者いわく、無性に部屋のモノを捨てたくなり、持ち物を減らしまくるというもので、筆者がいかにして「捨てたい病」になったのか、モノを捨てることの良さなどが書かれている。

この本は短い本にもかかわらず、引用したい箇所はいくつもある。

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『家の中に、モノがたくさんあると、その相手をしているだけで、いくらでも時間がつぶれる。本を読んだり、音楽を聞いたり、楽器を奏でたり、ゲームをしたり、絵を描いたり、映画やドラマを見たり、そんな風にして。モノに時間を奪われる。』

『移動や荷造りがラクになるとフットワークも軽くなる』

『モノを捨てたら、散歩に出かけよう。
ひらけた空の下で、そこはかとなく季節の変化を感じたり、散歩する犬を見て微笑んだり、見慣れない花や鳥や昆虫を観察したり、新しい道を覚えたりしながら、ただ歩く。
モノがなくても、ささやかな楽しみはそのへんに落ちている』


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私も筆者と同じように、初めから捨てたい病の綺麗好きだったわけではない。それこそ実家に暮らしている時から大学3年生くらいまで、部屋は荒れ放題だった。特に片付けよりも熱中するものが出てくると、何もしないでそれだけに没頭するようなことがしばしばあり、部屋は散らかる一方だった。大学のプリント、バイト道具、服、ペットボトルなどが散乱する有様だった。育った実家もあまり綺麗好きな家ではなかったことは筆者と共通点で、読みながらわかるわかると思った。自分の家が綺麗でないことに、その家で育った自分はなかなか気がつかないのだ。

そんな僕が変わったきっかけは、大学4年生の頃のバックパッカー旅行だった。僕は約7ヶ月くらいフラフラとしていたのだが、その時には40リットル程の登山用バックパックのみの持ち物で様々な気候の国を旅した。アフリカの砂漠にも行ったし、冬のヨーロッパにも、蒸し暑い東南アジアにも行った。だけど、背負ったバックパック1つ分の荷物でほとんど困らなかったのだ。

そして、他人にとっては不要でも自分にとっては必要なモノもあるということが分かった。僕にとって書きやすいノートとペン、そして絵を描くための道具は必要不可欠だった。めっきり文字を書かなくなったなんて話も聞くが、私には考えられない。手書きでメモを取らない生活など大変だろうし、思いついた時に絵も描きたい。生き物としての生存には不要でも、私という人間が快適に生きるためには必要だったのだ。他にもそういうモノがあるので、私はミニマリストにはなれないだろうなと思う。

そうして強制的に自分に必要なものと不必要なものを見極めて、宿なし生活を半年以上した経験は、帰国した僕に「あれ、家に置いてるものってほぼ要らないんじゃないの?」と思わせた。ちょうどその頃断捨離やミニマリストブームでもあったので、私の捨てたい病は加速していく。いまだに旅行に行くと、荷物が少ないと言われることは多い。モノが少ないことの快感は、一回長期的に体験してみないとなかなか分からないかもしれない。

こうしたミニマリストのエッセイ本も好きだが、ノウハウ系の本も結構好きである。全部は真似できなくても、生活に取り入れたい。

最近は1日1つずつ物を増やして100日生活したという「ふやすミニマリスト」や9月に出ることが決まっている四角大輔さんの「超ミニマル主義」も気になっている。またこの連載で感想やお裾分けを書くだろう。

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こうしろう

会社員・ライター・kamenotsuno.com運営

1992年 鹿児島生まれ。青年海外協力隊に従事するなど、ユニークな経歴の持ち主。自身のサイトkamenotsuno.comを中心に、you tubeにてカメのつのチャンネルの配信やno poleの第二期メンバー等、FtMに関する諸問題について、精力的に活動を行なっている。

好きなものは、カメとノート、カレー、黄緑色のもの、などなど。

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