​毎週日曜日更新

一節のお裾分け

第30節

ココロの状態を言葉で確認する。カラダの感覚を意識する。

【反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」
草薙龍瞬著】

「自分、メンタル弱いから…」

という言葉を、割と頻繁にFTMの若い人から聞く気がする。メンタルが弱いというのは、要は周囲の人の言葉に敏感になりすぎて、繊細に傷つくことが多いということなのではないかな、と私は考えている。

「メンタルが弱い」と決めつけてしまわなくても良いとは思うが、自衛をすることも大切なので、今日は周囲の雑音に惑わされなくなるのにオススメの一冊を紹介したい。

今回は草薙龍瞬さんの「反応しない練習」からのお裾分けだ。宗教というとどちらかといえば非科学的、非合理的なイメージを持ってしまうが、実はブッダというのは非常に合理的でクールな考え方をしていることがよくわかる一冊となっている。

この世の中には思わず反応してしまうような出来事で溢れている。しかし、それにいちいち反応をしてしまってはキリがない。だからそうした無駄で瑣末なことに「反応しない」ことで、そこから生まれる苦しみから解放されようという内容である。

この本も割と出てすぐに読んだと記憶している。2015年にこの本が出た頃は、瞑想やマインドフルネスなどが注目されるようになっていて、この本でも瞑想のメリットについての記載がある。私自身はこの本でようやく「マインドフルネス」とはどう言うことなのかを理解した。私は目を瞑って足を組んで…というあの状態じゃないとマインドフルネスができないと思っていたのだが、この本で紹介されている、「ラベリング」というものを知ったときに、日常生活でも「今、ここ」に集中する感覚を得られるようになった。

ラベリングとはその名の通り、今の自分の気持ちや動作や状態を言葉で確認することで、ラベルを貼る作業を指している。反応せず、まず理解をするためには「きちんと見る」ことが大切だという。

例えば今私はiPadに向かってこの文章を打っている。カフェの音楽がイヤホンを差しっぱなしの耳の外から入ってきていて、いつものパソコンのキーボードと違うキーピッチに戸惑いながら、今の状態について文章で表現している。この後友人と待ち合わせをしているので、少しだけ焦りを感じている。

それを「何も考えるな!考えるな!」ともみ消そうとするのではなく、そのままの状態を描写してラベルとして貼り付けていくことで、反応から抜けることができるという。

このラベリングが私にとっては最もマインドフルネス状態に入りやすい方法だった。続いて紹介されるように、「感覚を意識する」ことによって、より簡単にマインドフルネス状態になることができた。

感覚を意識する練習として、「目を閉じたまま手を見つめる」という方法が紹介されている。暗闇の中に手の感覚がある。その手を見つめながら上に挙げる。そのときに「手の感覚がある」「手の感覚が動いている」と意識をする。

この、「カラダの感覚を見つめる」という心がけをしていると、「感覚を意識する」「よく感じ取る」ことの意味がわかってきて、目を開けていてもカラダの感覚をよく意識できるようになっていく。

私が初めてそれを身をもって体感したのは、上記の内容が書いている箇所を読んですぐ、皿洗いをしているときだった。少し多めの皿を洗いながら、「今、皿を洗っている」とラベリングし「冷たい水を手の全体で感じている」と感覚を見つめることで、本当にその時間、瞬間に没頭している感覚をすぐに作る出すことができた。

この本の優れているところは、やってみるべきことが本当に具体的で、すぐに実践に移せるものばかりという点だ。そしてこの、今この瞬間を感じるマインドフルネスができるようになると、余計な考えや気持ちに惑わされにくくなる。

「メンタルが弱いから」という言葉で、心を乱される状態になれてしまうのではなく、心を乱されない練習をしてみることで現状を打開できることもある。詳しい練習方法はぜひ、今現在Kindle unlimitedでも読める本書を読んでみてほしい。

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こうしろう

会社員・ライター・kamenotsuno.com運営

1992年 鹿児島生まれ。青年海外協力隊に従事するなど、ユニークな経歴の持ち主。自身のサイトkamenotsuno.comを中心に、you tubeにてカメのつのチャンネルの配信やno poleの第二期メンバー等、FtMに関する諸問題について、精力的に活動を行なっている。

好きなものは、カメとノート、カレー、黄緑色のもの、などなど。

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