毎週日曜日更新
一節のお裾分け
第3節
モテたいなら前腕を鍛えろ
【ハリウッド流☆モテる技術 マックス桐島】
FTMは割とモテるらしい。
例えば女子校でキャーキャー言われたり、共学だとしてもこっそり付き合っていたり…。
シスジェンダー異性愛者の男子よりも、恋人がいる割合が高いなんて聞いたこともある。
そんな話はまるで遠い世界の話のように、私はてんでモテなかった。
約10年ほど前、20歳前後で一度もお付き合いをしたことがなかった私は「どうしたらモテるんだろう」といつも考えていた。顔もかっこよくはないし、背は殊更低い。そんな私が女の子にキャーキャー言われるためにはどうしたら良いものか。
そんな頃に、これでもかと言うくらい怪しいタイトルの本を買った。
「ハリウッド流⭐︎モテる技術」
怪しい。怪しすぎる。なんだこの⭐︎は。
でも私は怪しい本に縋ってでもモテたかった。バキバキにモテたい⭐︎と思っていた。
この怪しいタイトルの本は、ハリウッド映画のプロデューサーマックス桐島が書いたもので、内面から外見まで、どのように振る舞い、どのように鍛えればモテるかが事細かく記されている。
タイトルはかなり怪しいが、内面や外見を鍛えるために必要なことが丁寧に書かれているので、予想外の良書だった。
例えば、『「彼のことが気になる…」と思われる言動をする』には、「上司にも部下にも、大人にも子どもにも、男にも女にも、年上にも年下にも、金持ちにも貧しい人にも、誰にでも同じような態度で接することのできる男性には、容姿とは無関係の魅力を感じる」という話が出てくる。
つまりこの本は出口がモテになっているために胡散臭さが漂うだけであり、内容はどこででも(ハリウッドでも)通用するための人間力を鍛えるための、わかりやすい自己啓発本だ、と言っても過言ではない。
正直、本のデザインとタイトルでかなり損をしている気がするが、モテる人が増え過ぎても困るのであまり広まらなくて良いだろう。
その中でも今現在に至るまで、私の脳裏に焼き付いている教えが「前腕を鍛えろ」というものである。
内面的な部分の教えも根底には染み込んでいるものもあると思うが、分かりやすく今も実践しているのがこの教えなのだ。
冒頭の引用でも書いたように、確かにTシャツからはみ出した腕っぷしが太いだけで、人目を引くだろう。
すっかりハリウッド流⭐︎に洗脳されてしまった私は、この本に出てくる、フォーアームフレックスという自重トレーニングを今も行っている。ブルース・リー役のジェイソン・スコット・リーも暇さえあれば毎日このトレーニングで前腕を鍛えていたらしい。
オンラインで交流を深め、実際に会うのが仲良くなってからということも増えたこのご時世、「なんか、思ってたよりゴツい!筋肉質!」と言われることも多い。ぶっちゃけこれ、結構気持ちいい。
「ゴツくなった結果モテているのか」と聞かれれば答えはノーコメントだが、私と同じようにモテたくて拗らせてしまっている男子諸君は、ぜひ一度ハリウッド流⭐︎で「モテ」を学んでみてほしい。
きっと前腕がパンパンになるだろう。
こうしろう
会社員・ライター・kamenotsuno.com運営
1992年 鹿児島生まれ。青年海外協力隊に従事するなど、ユニークな経歴の持ち主。自身のサイトkamenotsuno.comを中心に、you tubeにてカメのつのチャンネルの配信やno poleの第二期メンバー等、FtMに関する諸問題について、精力的に活動を行なっている。
好きなものは、カメとノート、カレー、黄緑色のもの、などなど。