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一節のお裾分け

第18節

言葉を交わす前に相手に好感を持ってもらう

【元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法】
シェーファー, マーヴィン・カーリンズ(著)栗木 さつき(翻訳)

今回紹介するお裾分けの本は、実は紹介したくない本だ。というよりも、これを読んでいるということをあまり知られたくない。だが、非常に面白くて役に立ちそうな本だったので、本の存在はぜひ知ってほしい。

タイトルは『元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法』だ。こんな本を読んで何を企んでいるんだ?と思われそうだが、元FBI捜査官のテクニックを知りたかったのがこの本を読んだ動機である。

「はじめに」にはこう書いてある。

『本書のユニークな点は、友人、家族、同僚、さらにはまったくの赤の他人からウソ偽りのない情報を引き出すテクニックを伝授しているところだーーしかも自分がぺらぺらと秘密を漏らしていることを、当人にはまったく悟らせずに。

このテクニックを活用すれば、相手がふだんなら秘密にしておくことや、ウソをついたりごまかしたりしていることに関しても、真実を聞き出せる。』

こんな文を読んだら誰だって、そのテクニックを知りたくなるのではないだろうか。僕は久々に衝動買いのような形でこの本を買った。そして一気に読んだ。

この本のテクニックをすぐに自然と使いこなせるかどうかは分からないが、帯の謳い文句にもあるように、たしかにビジネスの現場でもプライベートの現場でも活用できそうな内容だった。そして確かに、社内の情報通である人はこのテクニックを知ってか知らずか、自然と実践しているように思う。

本書では相手にペラペラと秘密を話すように促す方法を「引き出し法」と読んでおり、様々なテクニックが書かれている。このテクニックを身に着けたら、例えば家などの大きな買い物をする際に、売る側が隠したい情報も引き出すことができる。この世の全員が「正直不動産」ならそんなことをしなくても良いが、実際はそうではない。

さらに大切なことは、引き出し法を使う前に相手との信頼関係を築くことだと筆者は言う。今回はこの「信頼関係を築く」の簡単なテクニックを紹介する。

相手に好感を持ってもらうためのしぐさや態度を、この本の中では「好意シグナル」と呼んでいる。まだ言葉をかわす関係ではないときに好感をもってもらえる「三大シグナル」とは、「眉をさっと上げて目を見開く」、「頭を傾ける」、そして作り笑いではない「本物の笑みを浮かべる」なのだそうだ。

眉をさっと上げて目を見開く動きは、6分の1秒ほどの短時間で行える好意シグナルだそうだ。それと同時に一瞬アイコンタクトをすると良いらしい。

次の頭を傾ける動きは、「私は驚異ではありません」ということを相手に示すしぐさである。首の両側には頸動脈があり、頭を傾けるとそのどちらかを相手に見せることになる。頸動脈は酸素を含む血液を脳に運ぶ経路なので、そのどちらかを切断されると死んでしまう。そのため、恐怖を感じた人は首をすくめて頸動脈を守ろうとする。反対に、全く驚異を感じていない人と会っているときには頭を傾けて頸動脈をあらわにするということだ。この好意シグナルはとても強く、信頼できる人、魅力的な人という印象を与えられるそうだ。また、この頭を傾けるしぐさは動物界にも共通するシグナルらしい。

そして最後は心からの笑顔である。やっかいなのは、人間は心からの笑顔と作り笑いを見分けられるということだ。心からの笑顔だと、口角の両方が上がって、目尻にシワが寄るという。作り笑いと気が付かれないように心からの笑顔を出すには、やはり鏡を見ながら練習するのがベストだそうだ。

ここまでの内容でも、すぐに実践できそうなことばかりだ。筆者は曰く「情報を聞き出そうとしている」と思われないことが大切らしい。冒頭で「これを読んでいるということをあまり知られたくない。」と書いたのはそのためである。

僕が眉をさっと上げて、小首をかしげ、満面の笑みを浮かべて近づいてきても、どうか警戒しないでいただきたい。

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こうしろう

会社員・ライター・kamenotsuno.com運営

1992年 鹿児島生まれ。青年海外協力隊に従事するなど、ユニークな経歴の持ち主。自身のサイトkamenotsuno.comを中心に、you tubeにてカメのつのチャンネルの配信やno poleの第二期メンバー等、FtMに関する諸問題について、精力的に活動を行なっている。

好きなものは、カメとノート、カレー、黄緑色のもの、などなど。

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