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​毎週日曜日更新

一節のお裾分け

第12節

「30代」ほど、人生で濃い年代はない

【30代にとって大切な17のこと】
本田健(著)きずな出版

以前、『20代にしておきたい17のこと』を久々に読んで、自分の干物具合に地味にダメージをくらったという話を書いた。そこで私は「30歳になるってどんな気持ち?」という問いに、「30歳ともなると周りの人のライフスタイルが多様になるため、学生時代のような気持ちはもう全く無い」という答えを出したという話をした。

まさにそこに書いたような話が、今回紹介する『30代にとって大切な17のこと』にも書かれていた。ライフスタイルも、年収も、もしかしたら社会的地位すら多様になるのが30代だ。

2月27日で30歳になる。この日からアンケートは30代に丸をつけないといけないし、流石に年齢確認をされるのは気まずい年だと思う。だが、以前も書いたように「僕ってまだ30歳なんだな」という気持ちも大きい。

僕は27歳にして初めて「日本の一般企業のサラリーマン」になった。海外で活動をしていたことを「仕事」としては捉えてくれない人が多いので、「27歳から社会人になった」と答えるようにしている。つまり社会人経験が3年もないので、周囲と比べて大きく出遅れていることはコンプレックスでもあるが、今では「まだまだだけど、案外ギリギリどうにかなったな」と思えるようになった。

本書の中では30代を「人生で一番忙しい10年」としている。仕事に慣れてそれなりの立場になることに加え、介護や育児などが発生する人も多いので、もはや自分だけの問題ではなく外的要因に人生を左右されるという。

家族との関係を見直したり、セクシャルマイノリティではないと思っている人もセクシャリティーを見直したり、自分の取扱説明書を作ってみることを勧めていた。中には29歳の僕にはまだピンと来ないような内容もあった。それもきっと、40代を目前にした頃に腹落ちするのかもしれない。

確かに確実に老いを感じるし、永遠に生きられるわけではないという当たり前のことを、自分のこととして少しずつ実感し始めている(みんななぜか、なんとなく自分は死なないと思っている気がする)。

僕が幸いなのは、30代という年代をとても楽しみに思えていることだ。周囲の30代の人を見ていて、楽しそうだなと思える人が多いからだろう。色んな国で活躍する人、自分の専門性を磨き高みを目指し続ける人、1周りも2周りも歳上なのに20代の僕たちと一緒になってはしゃげる人。とにかく「カッコいい大人」がたくさんいる。

そして何より、セクシャリティーで悩んで消えたくなっていた10年前が嘘のように、今はそんな悩み屁でもない。何をあんなに悩んでいたんだろう?と思う。10年後に僕がどんな40歳になっているのか全く想像もつかないけれど、「激動の30代」はきっと楽しく、振り返れば今の悩みもしょうもないと思えているだろう。

当面は「カッコいい大人」の仲間入りを目指して、目の前のことに邁進したい。

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こうしろう

​会社員・ライター・kamenotsuno.com運営

1992年 鹿児島生まれ。青年海外協力隊に従事するなど、ユニークな経歴の持ち主。自身のサイトkamenotsuno.comを中心に、you tubeにてカメのつのチャンネルの配信やno poleの第二期メンバー等、FtMに関する諸問題について、精力的に活動を行なっている。

好きなものは、カメとノート、カレー、黄緑色のもの、などなど。

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