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一節のお裾分け

第11節

才能という単語に殺されるな

【ダントツになりたいなら、たったひとつの確実な技術を教えよう 】
エリック・ベルトランド・ラーセン (著),山口 真由 (監修),鹿田 昌美 (訳)

皆さんは「ダントツ」になった経験はあるだろうか?世界一とは言わず、どんな小さなコミュニティであったとしても、その中でダントツになれることの意義は大きい。

かくいう私は割とバランス人間なので、おそらく「ダントツ」の経験はない。唯一あるとすれば、中学の美術の先生に作品を、「通知表では5までしかつけられないのが残念。本当はそれ以上をつけたい」というダントツの評価をつけてもらったことくらいだ。もうそれもはるか15年ほど前の過去の小さな栄光である。

それでも、学校の中で、アルバイトの中で、うちの部署の中で、同期で、「ダントツ」になりたいと思う気持ちはそこそこある方だと思う。例えばこの3人の中で、とか、ごく少数の中であればそういう扱いを受けたこともあったかも知れないが、自信はない。

今回紹介する本は、エリック・ベルトランド・ラーセンの「ダントツになりたいなら、たったひとつの確実な技術を教えよう」という本だ。この本を読もうと思ったのは、監修が東大卒弁護士として有名な山口真由さんが監修をしていたからだ。別で、山口さんの本も紹介したいと思う。

タイトルからして非常に暑苦しいし、「頑張れ」を言いづらいこの世の中ではやや嫌煙されてもおかしくはない。それでも、この本は私にとっては着火剤的な役割を果たしてくれて、読むたびに「またやってやるぞ!」という気持ちを燃え上がらせてくれる。

メンタルトレーニングの本なのだが、監修の山口さんが冒頭で書いているように、「この本は抽象的な精神論ではなく、誰でもすぐに実行できる具体的な「技術」を書いている」ので、内容を生活に取り入れやすい。

著者は毎日のほんの少しの選択の違いが、積み重なって大きな違いを生むという。正しい選択をするためには、自分に正しく質問することが必要だ。

『「一時間ソファでゴロゴロして背中が痛くなりたい?気持ちよくランニングして熱いシャワーを浴びてさっぱりしたい?」答えが違ってくるはずだ。』

この例は非常に分かりやすい。

さて、私がダントツの評価を受けた美術の時間を思い返してみると、そこまで「頑張ろう!」という気持ちが大きかったわけではないが、自然と適切な問ができていたように思う。木箱に彫刻刀でウミガメの形を削り出そうとした時、自分ではどう彫るべきなのか分からなければ先生に聞きに行き、ウミガメの非常に細かい皮膚の模様を塗る際には一切の妥協をしなかった。途中で少しめんどくさくもなったし、辞めることもできたが、これを最後まで妥協せずに描けたらきっと気持ち良いだろうと思い、ひたすら塗り続けた。真剣さが出ていたのか、美術の先生も美術の時間にウロウロしたりふざけたりする生徒に、私の邪魔をしないようにと注意してくれた。

書いていて、最近そんなにがんばれているだろうか、とちょっと不安になってしまう。

本題に戻ると、ダントツになれるのは才能ではなく努力を誘発する正しい問い、そしてその継続によるところが大きいというのが本書で伝えられている話である。この本の中での強烈なメッセージは「才能という単語に殺されるな」という言葉だ。

「才能がないから」「自分にはできないから」「そこまでしなくても…」妥協の言葉は幾つも思いつくが、結局のところ、そういう言葉に負けずに毎日の正しい選択の積み重ねをすることでダントツになっていく。

一日一日を大切に、ありきたりで手垢だらけの言葉を、強烈に意識させられる一冊である。

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こうしろう

会社員・ライター・kamenotsuno.com運営

1992年 鹿児島生まれ。青年海外協力隊に従事するなど、ユニークな経歴の持ち主。自身のサイトkamenotsuno.comを中心に、you tubeにてカメのつのチャンネルの配信やno poleの第二期メンバー等、FtMに関する諸問題について、精力的に活動を行なっている。

好きなものは、カメとノート、カレー、黄緑色のもの、などなど。

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