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一節のお裾分け
第10節
20代のうちしておきたい17のこと
【20代のうちしておきたい17のこと 本田健】
2月末で30歳になる。自分の年齢よりも少し上の人との交流が多いので、正直「まだ20代だったか、そっか」という感じで、周りの同じ歳の友達が言うほど「うわーもう30歳だよやばいよー」という気分ではない。
逆にこの前は、元会社の同僚で25歳の人に「30歳になるってどんな感じなんですか?俺はまだ学生の延長みたいな気持ちで、あんまり25歳になったって気もしないんですよね。30歳だと変わるんですかね」と言われた。
確かに25歳頃の30歳ってかなり大人だと思っていたが、常日頃言っている通り、私の中身は13歳くらいからそんなに変わっていない気がする。安売りしているポケモンパンを買ったり、雪が降ったら無性にワクワクして外に飛び出したくなったりと、大人になったらしないだろうなという行動も未だにしてしまう。
それでも25歳の彼が言うような「学生の延長」のような気持ちはすでに全くないのだ。
まず、30歳ともなると周囲の人のライフスタイルが多様になる。特に女性は、結婚をするしない、仕事を辞める辞めない、子供を産む産まない、たったそれだけで様々なパターンに分けられる。
Facebookはすっかり、学生の頃の友達の結婚や出産、子供の成長を知る為のツールとなり、自分の近況を投稿することもなくなった。
だから僕は、25歳の彼からの「30歳になるってどんな気持ち?」という問いに「自分は何も変わっていなくても周りの状況がどんどん多様化していくから、歳をとったような気持ちになるかな」と答えた。
本田健さんの「20代のうちしておきたい17のこと」という本を、大学生の頃に読んだ。その中で一番印象的だったのが「死ぬほどの恋をする」という内容だった。
それを読んだ当時、大学生だった僕は交際の経験がなく、恋ができたとしても誰かとお付き合いをすることはできないんだろうなと思っていた。
ところがどっこい、なんだかんだでお付き合いをすることができたし、感情をたくさん振り回される恋愛も出来たと思う。結局お別れしてしまったが、とても良い体験だった。
FtMはモテるらしいが、僕はといえば女の子にちやほやされたことなんかないし、モテとは無縁だった。モテたい、好きな人に好かれたい、という下心はありつつも、背が低くて普通の男性じゃない自分には、恋愛なんかできないと決めつけていた。
それでも自分のことを好いてくれる人は現れたし、それは自分で自分のことを認められるようになってからだったように思う。
「死ぬほどの恋をする」というアドバイスだけは覚えていたものの、内容はすっかり忘れてしまっていたので、20代も残りわずかの今、読み返してみた。
「死ぬほどの恋ができない理由は、もう一つあります。
30代、40代になると、自分の好き嫌いがわかってきます。そうすると、自分にとって圏外の人には冷めてしまうのです。
歳を重ねれば重ねるほど、新しいことへの感受性が鈍くなっていくということを書きましたが、恋愛の分野こそ、それがもっとも顕著に表れるといえます。
30代、40代……そこまでいかなくても、すでに20代で、恋愛の磁石は弱っていくのです。だから、死ぬほどの恋ができないのです。
20代という年代は、捨てるものが少ない、失うものが少ない。でも、30代、40代、50代になってくると、自分のライフスタイルも固まるし、これがいい悪い、好き嫌いというのがはっきりしてきます。
20代は、自分のこともよくわからないから、相手に合わせたり、または相手と一緒に二人のルールをつくることができるのです。 」
…ささった。というか、ダメージを受けた。確かに30を目前にした今の僕の恋愛の磁石は、クリップもくっつかないのでは?というほどに弱い。
正直、20代前半でこれを読んでもまったくピンとは来ていなかった。でも今になってこれを読み返してみると、「恋愛の磁石が弱くなった」というのは本当にそう思う。
まさか20代のうちにしておきたいことを今更読んでこんなにダメージを受けることになるとは思っても見なかったが、思わぬ収穫だった。
そして本田健さんの、「30代にとって大切な17のこと」も買ったので、こちらも近いうちにここで取り上げようと思う。恋愛も、頑張らないといけないですかねぇ…。
こうしろう
会社員・ライター・kamenotsuno.com運営
1992年 鹿児島生まれ。青年海外協力隊に従事するなど、ユニークな経歴の持ち主。自身のサイトkamenotsuno.comを中心に、you tubeにてカメのつのチャンネルの配信やno poleの第二期メンバー等、FtMに関する諸問題について、精力的に活動を行なっている。
好きなものは、カメとノート、カレー、黄緑色のもの、などなど。