HiROさん インタビュー :僕の考えるフィットネスのこと
フィットネスインストラクターとしての思いを語っていただきました。
自分の機嫌は自分で取らなければいけない世の中です。
でも、それって結構ハードルの高いことだと思いませんか?
運動して、しっかり眠る。
そして「斜めのつながり」を作る。
それがYALLAH!の出した答えの一つでした。
「斜めのつながり」とは、決して「仲が良くなる必要がない」関係性のことです。
時々、気が向いた時に挨拶出来るような人たち。
名前はわからないけれど気分が良ければ食事をしてもいいかなと思う人たち。
次会う予定はないけれど、あったら会釈くらいは出来る人たち。
家族や友達など強い「縦横のつながり」ではなく、あくまでも「気が向いたら」の「斜めのつながり」
そう言ったつながりを持つ方が現代ではむしろ大切ではないかと思うのです。
今回、YALLAH!では、HiROさんと一緒に「ヒロさんと。」という企画を立ち上げました。
今日は協力者であるHiROさんのことを紹介させてください。
トレーニングの内容は開催日やトレーニングの状況に応じて変更がございますので、詳しい内容はTwitter DMよりお問い合わせください。
第一回 ヒロさんと。
参加者募集
第一回の企画は「代々木公園でフィットネス」
好評のうちに11月6日に企画を終了いたしました。
ご参加頂いた皆様、企画にご協力いただいた皆様に心から御礼申し上げます。
レポートはこちらからご覧ください!
12年間、フィットネスインストラクターとして活躍してきたHiROさん。2’s CABINのスタッフとして勤務する傍ら、日常の動きを取り入れた誰にでも分かりやすいエクササイズを提案するHiRO_XERCISE (ヒロササイズ)やパーソナルトレーナーとしてもご活躍中です。
そんなHiROさんですが、FTMとしての一面も持っています。
協力して下さるHiROさんにご自身のこととフィットネスのことをお聞きしてきました。
HiROさんのこれまでの半生はこちら
国内最大級のLGBTインタビューWEBメディア LGBTER(エルジービーター)
HiROさんはFTMとしての自覚は遅い方だったそうです。
女性として大手フィットネスジムに勤務した時も「服装もTシャツに短パンだったのであまり気になることはありませんでしたね」と穏やかな表情で話し始めて下さいました。
「ただ、カミングアウトしたことで『女性として働くこと』と『男性として働くこと』を脳内変換しなくて良くなったのは楽になりましたね」
ーー
フットネストレーナーをしていてFTMでよかったなと思うことはありましたか?
HiRO
そうですね、自身の身体に対してのコンプレックス、見せ方など興味・関心を持てたこと。
コンプレックスというのは話しづらいことです。ヒアリングの時はその事を意識しながら話が聞けることは、よかったかもしれません。
時折、自分自身の話を混ぜることはありますが、基本的には相手が心を開いてくれるまで、しっかり待ちます。
自分の話を混ぜる時は、押し売りにならないようにだけは注意をしています。
「自己開示をして、相手のコンプレックスを引き出す」と言うのは、自分がそうされると嫌ですから。
あとは、女性特有の体調不良は体験していますし、男性ホルモンの投与での体調不良や気分の上下も体感しています。言葉が難しい部分がありますが、つまり「自分ではどうしようもないこと」や「少し長い目で付き合っていくこと」はたくさんあると思います。例えば、持病や年齢もそうかもしれません。環境面でも、お子さんをお持ちだったり、ご家族の事情があったり、そういった面に寄り添おうという気持ちは強いかもしれません…体験者としてご相談は受けやすい面はあるかもしれませんね。
そう言った意味では、性別拘らず寄り添ってご案内ができるトレーナーでいたいと思えたことがよかったことです。
ーー
意地悪な質問ですが、逆に悪かったなと思うことはありましたか?
HiRO
ないです・・・笑
強いて言うならば、魅せる立場でありながら自分に自信を持つことに時間がかかったことですかね(汗)
27歳から32歳の頃まで、性転換の情報を集めていた時期がありましたが、それは「見かけや男性としての自信」と言うものもそうですし「これまで女性として積み上げてきたキャリアを捨てて、もう一度やり直す自信」とも戦いました。
ターニングポイントは、女性専用のフィットネスジムの立ち上げに関わるために京都で地方住まいをしたことです。本当に一人になった環境で「一人であったとしてもこれがやりたい!」と思ったのが「男性として生きること」だったんです。
一年後くらいに両親にカミングアウトしてから治療が始まった時、ようやく心が落ち着きました。
でも、その時間も振り返ればとっても貴重な時間です!
ーー
HiROさんの得意な指導はなんでしょうか?フィットネスインストラクターも専門がある感じを受けることがあります。
HiRO
僕は一般的なシェイプアップ、関節痛予防や高齢者の方への指導が得意です。
シェイプアップと言うのは、一般的にいうダイエットです。
基礎代謝をあげる筋トレが主流になりますが、その方法を「それぞれの人に合わせてバリエーションをつけれること」が僕のトレーニングの特徴になります。
筋トレと言っても実は様々なんです。マシンを使うものだったり、マット運動、ヨガやエアロビクスを取り入れた運動。パーソナルでやるか、オフラインでやるか、グループでやるか。
運動が好きな方でもやる気が出なかったり、飽きたりすることはあります。
そう言った時も色々な提案をしていけるようにしています。
運動にも「満足度」があって、道具を使ったり新しいことをすることで、やる気が出たり、面白さが増すんです。
ご高齢者の運動でも、そう言ったことは多々あるんです。
道具も多くの方が想像するような大きなトレーニングマシンだけでなくて、椅子だったり座って出来るマットタイプのようなものがあります。
脳トレやストレッチなどの動きも取り入れながら、そう言ったものも使っていくことで、安全面を確保しつつ、ご高齢の方にも満足度の高い運動を提供しています。
脳トレ、意外に若い方も出来ないんですよ・・・(笑)
ーー
確かに…怖いです(笑) 今までフィットネスインストラクターをしていて一番思い出深かったことをお聞きしてもいいですか?
HiRO
イレギュラーかもしれないんですけど…。
以前、サークルの方達が各店舗から出し物をする懇親パーティーみたいなことがあったんです。その時にご高齢の方に、当時流行っていた妖怪ウォッチの踊りを指導して大成功!覚える・成長することに年齢が関係ないと実感しました。みんなで一つのことを一生懸命にやる。みんなが普段から特別に仲がいいわけではないんですよ。でも、目標に向かって達成感をみんなで得ていく。
僕も指導だけでなく、とにかくたくさんの方に見て頂くために集客を頑張りました。
ポスターを作ったり、それをデコレーションして、どんどん声をかけていきました。
見てもらうことで本当に人は変わるんですよね。
終わってから参加者のお孫さんが一緒に踊っていると聞いたりして。
「家族とのコミュニケーションが増えた」「一番盛り上がった!」「また新しいダンスを教えてね!」と声をかけて頂き、本当に嬉しかったですね。
「あなたの熱意に負けたわ」と仰ってくださった方もいて、頑張ってよかったと思いました。
身体や気持ちの変化はもちろんの如く、その方の目的や目標を一緒に達成できたこと。
運動を通して、いろいろな繋がりが増えていく様子を見ているのが本当に嬉しいです。
(僕自身も元々人見知りで影に隠れるタイプなので、だいぶ変わりました笑)
ーー
素敵な体験ですね。他に印象に残るお客さまはいらっしゃいましたか?
HiRO
特定の方と言うよりは、「現代に生きる人」というか、仕事や私生活が忙しかったり、一杯一杯だったりして、心に余裕がない方もいらっしゃったりします。
レッスン中も心を閉ざしたままと言うか。
そう言う方に特定のことをしたりはしませんが、帰り際に声かけをしたり、「あなたに言ってますよ」と心の中で声をかけていたりします。
地道に声をかけると、最初は全く笑わなかった方が、笑顔でお話をしてくれる瞬間が生まれるんです。
信頼関係が生まれた〜ってしみじみします!
不器用な動きの方は、どこか自信がなかったり、動きが小さかったりします。
そう言うサインを見逃さずに心に留めています。
あとは、ダウン症の女性がジムに来てくださったことがあって。人によるかと思いますが、ダウン症の方には筋力が少なかったり、また指導の内容によっては出来ない運動もあります。
それをスタッフ全体でサポートしていました。
とにかくしっかり名前を呼んであげる。伝わるまで何度も話す。
そうやって、出来ることが増えていく姿を見ることはとても嬉しいことでした。
ーー
様々な経験を積んで来られたHiROさん。最後に、フィットネスを通してHiROさんの伝えたいことを教えて頂けますか?
HiRO
何かを始めることに遅いはないと言うことです!
フィットネスを通す理由は身体の動きの不調は、気持ちの不調にも繋がっていきます。
僕自身もそれをたくさん経験しています。環境もとても流動的なので。
見た目、数字の変化、ストレス発散・・・
時間をかけてでも周りを気にせず、自分に目を向ける時間を少しでも増やして
笑顔の拡散をしていきたいです!
ーー
ご多忙の中、インタビューに答えてくださったHiROさん。
つい昨日起こったことのように楽しかったことを笑顔でどんどん答えてくれる様子は、HiROさんはフィットネスに真剣に向き合ってきたこと、色々な問題を自身の力で乗り越えてきたことを感じさせました。
「本当にね、笑顔が見れるなら、どこまでも頑張っちゃうんですけど、それだけじゃダメだから」と仰っていたのは、内緒です(笑)
これから、HiROさんとたくさんの運動をご紹介させて頂ければと思います。
よろしくお願いします!
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