れいれいのセカイ
Ray Hung 10,000字
ロングインタビュー
「Ray Hungとはどのような人物ですか」
そう問われて即答できる人はきっといないのではないでしょうか。
「Xジェンダー」「起業家」「ゲーマー」
幾つもの顔を持ち、刺激的な発信を行っているRayさん。
Rayさんの人生に影響を与えた4つのこと
異文化環境
ファッションと美容
ゲーム
音楽
これらを通じて、その半生と魅力を追いかけてきました。
【 メタバースで学んだコミュニケーション 】
ーー
続いては、ゲーム。これは配信なんかをやってらっしゃって。ご存知のファンの方も多いと思います。
Ray
そうですね。この間も大会に出たものを配信しました。自分が好んでいるのは、オンラインのShooting gameなんですが。自分はこのオンラインでゲームをすることによって、コミュニケーションを学んだと思っています。
ーー
それはどういったことでしょう
Ray
もともと自分はプレイヤースキルに依存するゲームが好きで。シューティングゲームの競技性に惹かれていました。その中で、オンラインゲームにはchatがあるんですよね。そこで、小学生くらいの時から「初めましてー!」みたいな挨拶をして話しかけていました(笑)返事が返ってくるのが嬉しかったんです(笑)
ーー
愛らしいですね(笑)
Ray
ゲームの中のコミュニケーションは、誰かの検閲を受けない自由な世界でした。例えば「親や先生や周囲の目を気にせず、世界中の誰とでも遊べる」と言うのは、ものすごく魅力的な世界です。
ーー
微妙くも、それはRayさんがおっしゃっている、ALL genderやボーダーレスの世界、つまり、性別や年齢や国籍は分からないけれど、スキルやその人となりだけで、余分な情報を排除し、その人だけを見ることが出来る世界だったと言うことでしょうか。
Ray
そうですね。
自分たちは、子供の頃からメタバースで遊んできました。(コンピュータやコンピュータネットワークの中に構築された、現実世界とは異なる3次元の仮想空間やそのサービスのこと)なので、アバターに入ることに対して抵抗がないんです。
ーー
私たちは、まだ、抵抗がある世代かもしれませんね。自分でSNSのアイコン用にアバターや似顔絵を作るときも「自分てこんなに綺麗じゃない」本当に自分ではないと言う思いが先に来てしまう(苦笑)
Ray
自分たちの世代はそう言うのがないんですよ(笑)素です。だから、ゲームの中でこそ、素直にコミュニケーションをすることが出来た。もちろん、無礼な人や礼節がない人もいるけど、それ以上にゲームを楽しんでいる人が多いです。
今は大会に向けて練習をしていて。
ーー
この間の生配信、拝見していましたよ。
Ray
ありがとうございます(笑)あれは、大会のため、ある目的のために練習しているんですね。幼い頃からゲームは好きでしたが「ゲームは社会で役に立たない」と言う父親の教育を大人になってからも引きずっていました。E-Sports大会で活躍すると言うゲームの目的を設定したことによって、その罪悪感を払拭することが出来ました。
【 文学的なものが好き 】
ーー
競技性のないものは、やられたりするんですか。
Ray
マインクラフトは今8人くらいでやっています。マインクラフトは、ご飯がなくて死ぬ。滝に落ちて死ぬ。敵に襲われて死ぬ。それをみんなで生き延びて、街を作って行きました。今は、もう生命が脅かされる事はあまりないんですが(笑)その中で通貨が流通させています。そこでそれぞれが考えた方法で、経済を動かして行くんですね。農作物や資源をやりとりして。そう行った社会性みたいなものを構築していけるのも面白いです。自分の功績が正しいかどうかを客観的に見れると言うか。当たり前ですよね。自分が創り出したものが他の人を豊かにする。そこで肯定感が生まれます。
あとは、オフラインゲームは、文学的な部分を持つものが好きです。
ーー
例えば、どういったゲームでしょうか
Ray
うわー、言われると思った(笑)(頭を抱えるRayさん)
ーー
(笑)
Ray
自分は、一時期、芸能活動をさせてもらっていたことがあって。演劇、ゲーム、バラエティの中で様々な境遇の人を演じて、その人生を体験しました。そんな中で、心に響くものが文学的な部分を持つものだったと言うか。
そうですね‥(ずっと考えてくれている)強いてあげるなら、メタルギア5のザ・ファントムペイン(幻肢痛。切断した四肢などの感覚や痛みを感じること。)の中で、首謀者が「我々は様々な言葉によって性格が変わる」と言うセリフが心に残りました。これは、体感として自分も多言語を操る者として、すごく共感出来た部分です。
あと、これはゲームではなくて映画なんですが、「二つ星の料理人」がよかったです。セリフが結構少ない映画でずっと音楽が流れており、サントラが素敵です。役者に台詞を言わせるのではなく、表情や皿の上で心情の変化を表現しているところが好きですね。例えば、片思いが分かるようなとても繊細なシーンが、言葉を使わずに表現されていたところが素敵だと思いました。
(続く)